「うつ病 」や「うつ状態 」について
テレビや新聞で「うつ」という言葉をよく耳にします。しかし、「うつ」という言葉は広い意味で使われることが多く、何を指しているのか分かりにくいことがあります。
「うつ状態」とは?
「気分が落ち込む」「やる気が出ない」といった「抑うつ気分」を感じている状態のことです。これは単なる気分の問題ではなく、倦怠感、疲労感、食欲不振、不眠、頭痛、めまい、動悸、肩こり、耳鳴りなど、さまざまな身体症状を伴うことが多いのが特徴です。
「うつ病」とは?
「うつ状態」の症状や身体的な状況を総合的に判断して診断される病気です。原因によっては、特定の名称が付けられることもあります。たとえば、昇進のプレッシャーによる「昇進うつ病」、介護疲れによる「介護うつ病」、出産後の「産後うつ病」などが有名です。
また、身体症状が主に現れる場合、「自律神経失調症」と診断されることもあります。
「うつ病 」とストレス
ストレスが「うつ病」と密接に関わっていることは広く知られていますが、ストレスとは必ずしも「嫌なこと」だけを指すわけではありません。ライフイベントの中でも、捉え方次第で大きな不安の原因となることがあります。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 昇進:会社での昇進は一見ポジティブな出来事ですが、新たな責任や社内でのプレッシャーがストレスになることがあります。
- 定年:生活の大きな変化に伴い、老後の不安が増すことがあります。
- 対人関係:職場や家庭での人間関係が原因で、精神的な圧迫感を感じることがあります。
- 転職や転勤:新しい環境に適応するまでに、慣れないことがストレスとなることがあります。
- 重い病気:闘病生活が続くことで、健康への不安が高まることがあります。
- 交通事故:予期しない出来事であり、その後の手続きも負担となることがあります。
- 結婚や出産:新しい家族の登場に伴い、大きな責任感やプレッシャーがかかることがあります。
- 身内の不幸:大切な人を失った悲しみや、それに伴う寂しさや後悔が心に負担を与えることがあります。
- 介護:両親など大切な家族を介護することで、つい無理をしてしまうことがあります。
このように、ストレスにはさまざまな種類があり、それぞれが心と体に影響を及ぼす可能性があります。
「うつ状態」への対応
「うつ状態」への対応について、まず最も大切なのは「ストレス」への対応策です。例えば、職場のプレッシャーや家庭での悩みなど、日常のストレス要因を具体的に洗い出し、それに対する対処方法を見つけることが必要です。
非薬物療法としては、リラクゼーション法や趣味に没頭する時間を持つことが効果的です。また、周囲の方々と率直に話し合い、自分の感じている不安やストレスを共有することが大切です。家族や友人、同僚との対話を通じて、サポートを得ることができるでしょう。