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睡眠時無呼吸症候群について
―心療内科・神経内科の立場より―

土屋 智(土屋医院・睡眠外来)

 
 眠りはノンレム睡眠とレム睡眠が交互に出現します。ノンレム睡眠は4つの段階に分けられ、睡眠段階1と2が「浅い睡眠」、睡眠段階3と4が「深睡眠」です。「深睡眠」は“脳がゆっくり休む眠り”です。一方、レム睡眠は「夢見の眠り」で脳は目覚めに近いのですが、身体中の筋肉の緊張が緩み“身体がゆっくり休む眠り”です。脳と身体は交代で眠っていますからどちらも大事な睡眠です。

 さて、古来イビキは熟眠の証と考えられ、気持ち良く眠っている人の姿として表現されてきました。ところが、イビキは睡眠中に気道が狭くなって笛の原理で起こる呼吸障害なので注意が必要です。イビキがひどくなって気道が完全に閉塞してしまうと、最近注目されている「睡眠時無呼吸症候群」ということになります。これは、文字通り睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、本人に自覚がないことが多く厄介な病気です。無呼吸が出現してそのまま呼吸停止に陥ることはありませんが、身体の酸素濃度が低下して苦しくなり脳が呼吸再開の指令を出します。そのため、しばしば瞬間的な覚醒が起こり睡眠の連続性を妨げてしまいます。つまり、浅いノンレム睡眠と目覚めを繰り返すために「深睡眠」もレム睡眠も出現しにくくなって脳も身体もゆっくり休めません。

「睡眠時無呼吸症候群」では何時間眠っても、睡眠の質は不良なままで熟睡感がなくなります。また、「不眠症」として自覚されることもあり、日中の眠気や集中力の低下、疲労感などをきたして「うつ病」と勘違いされることもあります。居眠りのために「怠け者」扱いされることも少なくありません。また、酸素濃度が低下することで朝の頭痛を引き起こしたり、心臓などにも負担をかけ、「高血圧」や「不整脈」、「脳卒中」などにも関係して命にも関わる恐ろしい病気です。
早期発見、早期治療が必要なのです。


(平成15年12月7日に開催された、“市民公開シンポジウム「睡眠時無呼吸症候群(SAS)をご存知ですか?−いびきと眠気は健康の注意信号ー」”で当日配布されたパンフレットの内容です。)

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Last updated on Tue, Sep 15, 2015