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「レム睡眠行動障害」について

レム睡眠行動障害』という病名は、聞き慣れない方が多いかもしれません。症状は「夢遊病」(睡眠時遊行症)によく似ていますが、全く違うものです。ただし、両者共に「睡眠障害」の中では「睡眠時随判症」と呼ばれるものです。
 文字通り、睡眠中に何等かの症状を随伴する病気で「歯ぎしり」や「睡眠時遺尿症」、「夜間下肢こむらがえり」なども含まれます。


【復習】
レム睡眠⇒脳は夢を見ている。身体中の筋肉が休んでいて動けません。→身体の眠り
ノンレム睡眠⇒脳はユックリ休んでいる。身体は、動くことが出来ます。→脳の眠り

レム睡眠行動障害』とは、何等かの原因でレム睡眠中に身体の筋肉が動いてしまい、夢の内容に一致した行動が出てしまう病気です。
 ところが、自ら「コレコレの夢を見てこんな行動をした。」などと言われて病院を受診される方はおられません。多くは、著しい寝相不良、大きな寝言や叫び声、不自然な仕草などが出現し、御家族に笑われる程度で御自分では気付きません。しかし、笑い事では済まされない重大な「睡眠障害」なのです!
 症状が重い場合には、寝室を歩き回ったり、傍らで眠っている人を殴ったり、物を蹴ってしまうなど、暴力的になることすらあります。さすがに、そのような時には御家族も心配して、御本人を制止するのですが、「怪獣に追われる夢を見ていた。」などと言われても、「変な人!いい歳して・・・子供の夢遊病みたい!」ということで終わってしまうことが多いようです。
 こうなると、御本人やベットパートナーが怪我をする可能性もあり、良好な睡眠が取れないために「不眠症」や「過眠症」の原因にもなってしまいます。実際に、元サッカー選手だった方が、夢の中でシュートを放った瞬間、足に激痛が走り整形外科で足指骨折と診断された例もあります。(夢内容に一致して、ベット柵を蹴ってしまった結果です。)

原因今の所、詳細は不明です。(1986年に発表された、新しい疾患概念です。)
年齢基本的に高齢者に多いのですが、若い方でもめずらしくありません。
注意パーキンソン病などの脳の病気と関連がある場合があります。

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Last updated on Thu, Sep 2, 2021